プリズムメソッドが選ばれる理由
プリズムメソッドとは、どなたでも簡単に導入できるアクティブラーニング型の国語のメソッドです。
国語の授業づくりに行き詰まっていませんか?マンネリ化していませんか?
国語の授業に演習を取り入れても、生徒は模範解答を写すだけで、なかなか国語の力が伸びない…という悩みはありませんか?
プリズムメソッドは、そんな悩みを解決するメソッドです。
プリズムメソッドの特徴
プリズムメソッドでは、先生が正解を提示する前に、生徒全員に採点者になってもらい、みんなで議論をしながら問題を採点していきます。
解答例には、意図的に内容的に間違っているもの、文章がわかりにくいもの、解釈が分かれるものも混ぜておきます。
ここでのポイントは、生徒のレベルに合わせて、自然と議論が誘発されるような解答例を設定することです。
生徒はその解答例を採点しつつ、設問の意図は何か、解答に必要な要素は何か、わかりやすい文章はどのようなものかを議論をしながら検討していき、優れた答案とはどのようなものかという基準を作っていきます。
そして、最終的に上述の議論を踏まえた上で、自分のオリジナルな解答を作成します。
このようなプロセスを通して、「自ら考える力」「議論をする力」「書く力」という総合的な国語力を身に付けることができます。
プリズムメソッドの7ステップ
プリズムメソッドは、以下の7ステップで行います。
学習目標や授業時間、生徒の習熟度に応じて、優先順位の低い工程は省くことがあります。
Step1. まずは問題を解く
まずは自力で解答を作成します。
全然解けなくても、解答する際に参考となる文章などには印をつけておきます。また、印をつけながら読むことで、文章読解の基本的な態度を身につけます。
Step2. 解答例を採点する
用意されたいくつかの解答例を採点します。
問題文の筆者だけではなく、問題作成者がどういう意図で問題を作成したかにも注目します。文章の内容だけではなく、設問文が読めていなかったり誤解したりしていることが障害になっていることが生徒も多いです。
Step3. 採点結果の相違について議論する
以下のような観点で、生徒同士で議論をします。
複数人で議論することによって、一人で考えているだけでは得られない視点に気づけます。また、議論を重視することによって、取り残される生徒もなく全員が問題に積極的に取り組める
Step4. 採点基準を話し合う
生徒の間で、良い解答の特徴と誤った解答の特徴について議論して整理します。
解答をする上で必要な要素を抽出して、採点基準を設定することがここのポイントです。文章を作成することに慣れていない生徒は、何を書いていいかわからないため解答を書けないことがあります。
Step5. 最初の解答を見直して、自分自身で採点する
Step4で作成した採点基準をもとに、最初に書いた解答を採点します。
はじめに作成した答案を自己採点することで、何が足りなかったか、どのような点が評価できたかなどを反省してもらいます。ここで解答プロセスを反省することで、メタ認知能力が身につきます。
Step6. 自分のオリジナルな解答を作成する
Step4で作成した採点基準とStep5で行った自己採点の結果をもとに、再び解答を作成します。
議論を踏まえた上で、最終的に自分自身で解答を作成し直します。頭でわかっているからと言って適切な文章を作成できるわけではありません。文章作成も訓練が必要です。
Step7. 作成した解答をグループで検討する
もし体力的・時間的に余裕があれば、作成した解答をグループで検討します。
作成した解答についての意見をもらったり、友人の解答を見たり、比較したりすることでで、さらに解答を洗練させることができます。
プリズムメソッドの3つのメリット
誰でも活発に議論できる
「みんなで議論してみましょう」といっても議論はなかなか始まりません。というのも、何を議論すればいいかわからないからです。そうなるとまず議論をするトピックを決めなくてはならず、その作業はかなり複雑なものになります。また、とりあえず議論するだけでは、お互いが好き放題言い合うだけという結果にもなります。よく観察すると「議論しないのではなく、議論できないだけ」という状況に陥っているのです。
ですので、議論を活性化するためには、みんながこれについて議論してるという具体的なトピックが必要です。プリズムメソッドでは解答例見本という形で具体的なトピックが用意されているので、それをたたき台にしつつ、「解答例のこの部分は本文ではどこに書かれていることだろう」や「解答例のこのような書き方は少し分かりづらい」などの議論が誘発されます。
プリズムメソッドを通じて、文章の内容理解だけでなく、議論をする力や相手に伝える力も身につけることができるのです。
幅広い学習目標に適用可能
国語の基本的な四つの技能は、読む・書く・話す・聞くです。プリズムメソッドでは四技能の全てを伸ばすことができます。というのも、プリズムメソッドのプロセスの中に「文章を読む」「文章を書く」「自分の意見を話す」「相手の意見を聞く」が全て含まれているからです。そのため、複数のメソッドを組み合わせる必要はなく、プリズムメソッドだけで四技能の向上に対応することができます。
プリズムメソッドは、学習目標や生徒のレベルに合わせてカスタマイズすることができます。例えば、長文の構造を読み解く力を重点的に伸ばしたい場合には、要約問題を題材としてプリズムメソッドを使うすることが効果的です。また、助詞や接続詞の知識を強化したい場合は、助詞や接続詞の違いを特徴とした解答例を採点の題材にすることで゙対応゙できます。
さらに、プリズムメソッドは国語のみならず他教科への応用することも可能です。メソッド自体の汎用性が高いこともプリズムメソッドの特徴の一つです。
メタ認知能力と批判的思考が身につく
プリズムメソッドでは、メタ認知能力と批判的思考も身につけることができます。メタ認知能力とは、簡単に言えば自分が何をやっているのかを観察者の視点で捉える能力のことです。例えば、ただ解答を作成しているのではなく、自分はどのように解答を作成しているのか、どういう解答を作ればいいのかを反省することができるなどです。
プリズムメソッドでは、解答者だけでなく採点者という役割も引き受けることになるので、自然とメタ的な視点でものを捉えることができるようになります。メタ認知を獲得することで、どんな情報でも鵜呑みにすることなく、一旦疑って考える姿勢が身につきます。このことは批判的思考の獲得にもつながります。批判的思考とは物事を否定するということではなく、与えられたものを一旦疑ってみて十分に検討してから、判断を下す態度のことです。プリズムメソッドでは、議論を通じて優れた解答の基準などを十分に検討する機会を設けてあります。
このようにプリズムメソッドを通じて、メタ認知能力と批判的思考というスキルも身につけることもできます。
導入実績
よくあるご質問
国語が苦手で習熟度が低い生徒や、中学1年生程度の年齢の生徒にもメソッドを導入できますか?
はい、できます。用意する解答例を正答と誤答がはっきりしているものにしたり、ごく一部しか異なっていない解答例を用意したりすることで、国語力が低い生徒でもメソッドを実践して、総合的な国語力の訓練をすることができます。
教室やグループの中で習熟度や学力に差があってもメソッドを導入できますか?
習熟度差の程度にはよりますが、可能です。生徒が自分の採点の理由を説明する場面では、習熟度が高い生徒が、低い生徒に読解の根拠を教えてあげる学び合いの様子がしばしば見られます。よって、習熟度が低い生徒はそれによって読解の方法を学び、高い生徒は教えるために自分の思考や理解を言語化する過程で学びを深めることができます。
このメソッドを使用するにはどうすればいいですか?先生向けの参考資料はありますか?
Schipでは教員向けのプリズムメソッドの講習会を行なっております(過去実績はこちら)。ページ最下部のお問い合わせよりご連絡いただけましたら、時間・内容など開催に向けた相談をさせていただきます。講習会では、教員向けの導入の手引きを用いて、ご担当の学年に合わせた模擬指導案の作成ワークショップを行いますので、まずは是非お問い合わせいただけましたら幸いです。